関西圏、新電力シェアが1割超え 関電再値上げで上昇
関西の大口電力販売に占める新規事業者(新電力)のシェアが初めて1割を超えた。関西電力が値上げした今春以降、割安な料金を強みに販売を拡大。首都圏に次ぐ1割超となった。2016年4月に始まる電力小売りの全面自由化を控え、新電力と大手電力の競争は激しさを増しそうだ。
近畿経済産業局の管内電力速報によると、関西2府5県(福井県の一部含む)の10月の販売電力量に占める新電力の比率は10.1%。1年間で4ポイント上昇し、7%台にとどまる全国平均を大きく上回った。関電の電力量が64億267万キロワット時と前年同月比8%減る一方、新電力は7億2307万キロワット時と54%増えた。
関電は原子力発電所の停止によるコスト上昇を受け、13年春と15年春に2回値上げした。企業向け料金は東日本大震災前に比べ3割近く上昇。関電より数%安い料金を提示する新電力に切り替える需要家が増えた。
東京ガスや大阪ガスが出資する新電力最大手のエネット(東京・港)は工場やオフィスビルを中心に関電から顧客を奪っている。同社の関電管内の契約件数は15年3月末時点で約4400件と1年で42%増えた。東京電力子会社のテプコカスタマーサービス(東京・江東)は10月から関西圏のセブン―イレブン・ジャパンの約1000店に電気の供給を始めた。
出典:日本経済新聞